気を付けないと、それって
今日、クライアントさんからのメッセージで、あることを質問されて、これは大事だなと思うのでブログにも書いておこうと思います。
このクライアントさんは、起業3年目。
まだ小規模ながら、素晴らしい技術を持ったサービス業の方で、いずれきっと成功されると確信して、常々応援させてもらっています。
そのメッセージ、と言いますか、問い合わせの内容は、
「ある方からお誘いを受けた○○という異業種交流会の組織があるのですが、ココってどうでしょう?」
というもの。
私はすぐさま「ストップ!!!」と返事を差し上げました。
日本には、たくさんの異業種交流会やそれを目的としている組織・団体があります。
その中には、当然本来の意味で真面目に地道に活動をされている方もいらっしゃいますし、そういう場面で人脈が広がることもあり、とても有意義なことです。
が、しかし、そういう正しい異業種交流会より、そういう体を借りた実態はマルチ商法、ネットワークビジネスというパターンが驚くほど多いです。
今回話題に上った組織も、その一例。
たまたま知人に内情を聞いたことがあった組織なので、すぐに「関わっちゃダメ!」と伝えられましたが、メッセージを下さっていなかったら、このクライアントさんも知らずに入会させられていたかもしれません。
起業家、中小企業経営者は、日々集客や販路を伸ばしたいと思っています。
「ウチの団体は会員数もこんなに居て、そこで交流の機会を持てば、その内の何人かがお客さんになってくれるよ」
「そこから、どんどん人脈が広がって集客できるよ」
などと言われたら、気持ちが動くのも無理はありません。
でも、そんなことを言われた時に、よく考えてみてください。
ある組織に入る、そんな簡単なことで劇的な集客ができるなら、世の中の商売人は苦労していないはずです。
どんな商売でも、集客を伸ばす、販路を拡げるというのは、一番難しく、みんな頭を悩ませる部分です。
たくさんの人が所属しているところに入って顔を売れば、その人たちが顧客になってくれるから、その問題が解決する。
一見そんな気がするロジックですが、それはロジックではなくトリックです!
例えば、自分の事業のターゲティングにあっているかも分からない不特定多数の人にDMをばら撒いて、その内どれくらいが顧客になり、リピーターになりますか?
おそらく千分の一、万分の一のはずです。
そのために時間と費用と労力を費やすのが、いまあなたのやるべきことでしょうか?
その時間と費用と労力をもっとほかに向けるべき先があるのではないですか?
本当に必要なお客様とのネットワークを作れるのは自分自身。
さも簡単に「こっちにくれば」と誘われた先にあるのは、ほとんどが益どころか害しかない蜘蛛の巣です。
起業家、中小企業経営者、これから起業する方に、この手の誘いは実に多いです。
くれぐれもご注意を!
夜明けは遠い
仕事中に時折出くわし、いつも同じ残念な気持ちになる瞬間が今日もやってきた。
あるオンライン申請の場面で。
確定申告やコロナ関連の申請等で、行政関係のオンライン申請を経験している人も多いと思う。
そのほとんどの人が率直に感じるだろうことは「分かりにくい、使いにくい」ということだろう。
日本の官公庁、行政のデジタル化って、どうしていつまで経ってもアクセシビリティやユーザビリティを考えない作りなのだろうか。
こういう複雑怪奇なシステムを作る意図と、これでいいと思った理由を小一時間問い詰めたい。
世界最先端デジタル国家創造宣言、デジタル庁創設、いつもお題目は素晴らしいのだが、実際には使えないシステムばかりで正直辟易する。
日本政府のIT戦略である世界最先端デジタル国家創造宣言で、国が示した「Society 5.0時代」にふさわしいデジタル化の条件は、
(1)国民の利便性を向上させる、デジタル化
(2)効率化の追求を目指した、デジタル化
(3)データの資源化と最大活用につながる、デジタル化
(4)安全・安心の追求を前提とした、デジタル化
(5)人にやさしい、デジタル化
……何年経っても、何ひとつ、できとらんやないかいっ!と突っ込みたくなるのは私だけだろうか?
利便性が高く、効率的で、活用しやすく、安全安心で、人にやさしいデジタル社会。
それを本気で推進しようと思うなら、まずは官公庁、行政のそれからやらないでどうする!
若い子も、忙しい人も、おじいちゃんやおばあちゃんに至るまで、誰もがすんなり利用できる分かりやすいシステム作りができなければ、この国のデジタル社会の夜明けは遠い。
上りは階段、下りは……
「右肩上がり」という言葉がありますが、実際には企業が成長し、業績が上がる時には、一直線に数字が伸びるというより、階段を一段一段上るように、踊り場があって一気にはいかないもの。
そこで気持ちが焦りがちなのですが、成長の階段は着実に一歩一歩踏みしめながら上るんだという考えでいることが大切です。
それを一足飛びにいこうとすると、歩幅が合わずに足を踏み外したり、筋を捻じって怪我をしたり、途中で息切れして目標まで上り切れなくなります。
最近は何かのきっかけで「バズる」という現象が起こり、一気に数字が跳ね上がることもありますが、それにしても地道な努力を忘れれば、所詮は一過性に終わることがほとんどです。
対して、業績が落ち、企業が傾く時は、残酷なほど一気に下降線をたどるもの。
まるで滑り台か落下傘のように、留まる余裕も手掛かりも与えてはくれません。
高く上れば上るほど、その落差で大怪我を負います。
本質、本筋、道理に適った積み重ねの階段は、強固な地盤になって、企業を長く確かに支えてくれるものになります。
あなたは、どんな成功の階段を作りながら上って行きますか?
上を目指す人こそ、そのことを意識して、焦らずに強固な階段を作り上げてください。