?をなくせ!
コンサルティングの案件には、様々な業種、ジャンルのお相手があります。
クライアントの中には、飲食店や小売店、サービス業で店舗を運営されているところも多いのですが、そういう業態の店舗を訪問した際に、私が現場の課題点として着目する第一のポイントは、そのお店に訪れた一般のお客様が「?」を抱かないかをお客様目線でチェックすることです。
例えば、飲食店で、出入り口の掃除がおざなりで汚れていると、お客様は来店の最初の段階で「?」を抱きます。
「このお店、いつもこうなのかしら? ちゃんと掃除しているの?」
お店に入って、カウンターやテーブル席に通される時、通り過ぎていく視線の先に片付いていない光景(バッシングされていない食器類や定位置に戻されていない椅子等)が目に入れば、お客様の頭の中には、更に「?」が増えていくでしょう。
席に通されて、メニューを開くと、そのメニューのページにちょっとした汚れを発見したり、テーブルの拭き残しに気付き、またまた「?」が増える。
頭の中にたくさんの「?」が積み重なって行くことで、そのお客様は注文する、それを食べる前から、このお店の評価を下げています。
味に自信があって「飲食店は味が勝負!」とドヤ顔をしても、その時にはもう遅いのです。
人はそれぞれ些細なことにでも、引っ掛かり、違和感を抱きます。
その「?」の積み重ねが、お店の評価に繋がることは実際に多いのです。
商品の陳列、備品の置き方、メニューの見え方、商品やサービスの提供時間、接客の言葉遣いや態度etc……その小さなひとつひとつのことが、すんなり気持ちよく目に映るか、逆に「?」の感情を抱かせるか、日々常に見直すことは重要なポイントです。
お客様がすんなり気持ちよく居られれば、消費は増えます。
「?」を多く抱けば居心地が悪くなり、消費は減ります。
多くの場合、働く側のオペレーションを理由にして、知らず知らずの内に、お客様側に「?」を抱かせることになっているケースが多いので、お客様目線に立ち戻って違和感を取り除くお店作りをすれば、その効果は徐々に数字にも反映していきます。
お客様の「?」をなくせば、売り上げは増える。
それを頭に置いて、お店作りをしましょう。
成長拡大を実現できる企業の共通点
2016年調査における総務省の経済センサスによると、日本には法人企業188万社、個人経営198万事業主があり、合わせて386万企業が存在しています。
その内の0.3%が大企業で、残り99.7%が中小企業です。
その後に起きたコロナ禍で、数字の変化はあるでしょうが、いずれにしろ日本では中小企業が圧倒的多数であることに変わりはありません。
私がコンサルティングに携わる中で、また自身の人生経験の中で出会った企業(法人・個人事業主)の中で、成長拡大する企業には、いくつかの共通点があります。
まず第一に、揺らぐことのない企業理念、経営理念があり、かつそれが社内に浸透していること。
第二に、制度設計にしっかり取り組み、それを正しく活かしていること。
第一点目は、基本中の基本のことなので割愛しますが、二点目の『制度設計』がとても重要です。
制度設計と言っても、それは実際には多岐に渡ります。人事評価制度、賃金給与制度、勤怠管理制度、人材育成制度etc……。
そもそも「制度設計」とは何なのかというと「新しい制度を作る、または現行の制度を改善する場合に、その目的、対象、具体的な内容、必要な組織・人員、運営の仕方などをまとめた計画」です。
つまり広い意味で考えるなら、宣伝広告の打ち方や材料の仕入れ方、はたまたオフィスの使い方、掃除の仕方にまで制度設計はあるわけです。
では、もっと端的に『制度設計』を言い換えるとしたら?
それは『事業を行うのに必要なシステムやルール作り』と言えるでしょう。
残念ながら、まだ日本の大多数の中小企業では、社長、役員や幹部という人たちの主観によって、いろいろなことが決められます。
人事査定、賃金や給与の決め方、事業の進め方、はたまたお茶汲み当番。
なぜ、そうなるのか?
『制度設計』ができていないからです。
制度設計をするということは、主観による不公正・不公平を極力なくし、経営者・労働者の双方ができるだけ納得しやすい客観性のあるルールを決め、事業を力強く進める下地を作ることだと言えます。
例えば、賃金給与が経営者の意向だけで何となくで決まる会社と、何歳で何年勤続してステップアップしてきたかがカウントされて何等級だからいくらという基準があって決まる会社。
あなたなら、どちらで働きますか?
小さな企業だから「何となくの流れでやれるだろ?」という幹部の指示にもならない指示で事業を進める会社と、目的・対象・内容・メンバー選抜・それぞれの目標や動き方の指針が誰にでも分かるように示されて事業を進めていく会社。
あなたなら、どちらがやりがいを持って働けますか?
働く者の意欲やポテンシャルを上げ、企業の力に転換し、業績アップに繋げるために必要な環境整備=制度設計なのです。
実際のところ、制度設計という作業は、なかなか難しいもので、現状の制度を変える時にバランスを考えたり、人的なハレーションを起こさないように配慮もしながら、モデルケースをいくつも検討して、そのメリット・デメリットを理解し、着地点を見定めなくてはいけません。
冒頭の数字の並んだ画像は、私がある企業のために作った賃金テーブル(給与額の決定のための基準表)ですが、慣れた人間でも骨の折れる作業です。
しかし、そうした細やかな制度設計に取り組むことで、従業員は安心感と信頼感を持って企業に貢献してくれるようになります。
経営者の側も、きちんとした制度設計があれば、何事も効率的にスムーズに進めやすいはずです。
中小企業から脱却して大企業を目指す成長フェーズに入った会社は、必ずこの制度設計に取り組みます。
それは、制度設計がもたらす恩恵が大きいと気付くからです。
制度設計は、事業規模、従業員数・事業所数が増えるほど労力が要る作業になっていきます。
ですから、いまはたとえ小さな会社でも、いいえ、小さな内にこそ、将来を見据えた制度設計に手を付けてください。
小さな内に早くから制度設計に取り組んだ企業は、それが必ず成長拡大のキーポイントになるはずです!
バレンタインデー2022
今年のバレンタインチョコ。
日付が変わってすぐに嫁さんから。
気持ちのこもった小さな手書きのカードは、オフィスのデスクに飾っておくことにします。
ありがとう!
朝のサンドウィッチと夜のワッフル
食べることは生きること。
毎日を楽しく生きていくためにも、食べるという行為は欠かせませんね。
昨日の朝は、嫁さんがボリューム満点のサンドウィッチを作ってくれました。
分厚いトーストにハムとスクランブルエッグ、キュウリ、レタス。味付けはシンプルにケチャップ。
何気ない日常の幸せを感じられる味、おいしく頂きました!
そして、今夜は代わりに私がワッフルを焼く番。
「夕食にワッフル?」と思われるでしょうが、これには少々理由があります。
数年前、嫁さんと私は、ふたりで小さなカフェを営んでいた時期がありました。
お店があった土地の立ち退きで短い間の営業でしたが、いまでも良い思い出で、その時に知り合ったお客さんの中には、いまだに交流があり、お友達としてお付き合いの続いている方たちが幾人もいます。
その内のひとりが来週末、我が家へ遊びに来ることになったのですが、
「あのカフェで食べたワッフルが、いまでも忘れられない。ぜひ、また食べたいんですが……」
と仰るので、数年ぶりにレシピを思い出し、試作してみることになったんです。
仕事の兼ね合いもあって、平日は時間もありませんから、今日その試作をと思いまして、それで夕食がワッフルに。
レシピは残していませんでしたが、毎日飽きるほど焼いていた看板メニューのワッフル。
その生地の分量と工程を思い出しながら、まずは材料を揃えて、いざ調理開始!
昔、カフェでお出ししていたワッフルは、外はサクッと、中はフワッとした、ほんのり甘い、昔懐かしいような素朴な味わいのアメリカンワッフルです。
最初は、全卵と砂糖をしっかり泡立てます。
この最初の泡立てがコツで、ここでしっかり硬めに泡立てないと、外サクッ中フワッの食感になりません。
しっかり泡立てたら、牛乳を合わせて、粉を振るいます。
何回かに分けて、さっくりと切るように混ぜ合わせる。
泡をつぶさないように、手早く満遍なく。
そして、最後に溶かしバターをたっぷりと加えて、照りのある生地に仕上げます。
出来上がった生地は、1~2時間ほど冷蔵庫で寝かして馴染ませます。
そうすることで、焼いた時に粉っぽさがなくなります。
大事に寝かせた生地を、バターを塗ってよく熱したワッフルメーカーで焼けば出来上がり。
懐かしい香ばしさが部屋に広がって、嫁さんとふたりで変わらぬ味を楽しみながら、昔を思い出しました。
何てことない素朴な味わい。
来週末、わざわざ足を運んで来てくれるリクエストの主が、これを食べて喜んでくれるように願っています。
そう言えば、今週のお題は「復活してほしいもの」でした。
「カフェは、またやらないんですか?」と、嫁さんも私もよく聞かれますが、思い出は思い出だから楽しいのかもしれません。
なんちゃってコンサルタント
経営コンサルタント、マーケティングコンサルタント、ITコンサルタント、webコンサルタント、人材コンサルタント、労務コンサルタント、財務コンサルタント、ファイナンシャルコンサルタントetc……世の中には、○○コンサルタントと呼ばれる人がたくさんいます。
かく言う私も、そのひとりで「ビジネスコンサルタントのUNOです!」とご挨拶します。
そもそもコンサルタントって何?
コンサルティング(consulting)する人=コンサルタントですね。
コンサルティングとは、ごく簡単に言うなら、クライアントである企業の課題点を見つけ出し、その改善策を提案したり、相手が実現したいことを具体的にどう進めればいいのかアドバイスする仕事です。
コンサルタントを名乗るのには、特に資格も必要ありません。誰でも名乗れる職業です。
だから、世の中には『なんちゃってコンサルタント』が、わんさかいます。
残念ながら、それが事実です。
あなたの周りに、そんなコンサルタントはいませんか?
なんちゃってコンサルタントを見分ける三つのポイントがあるので、これにひとつでも当てはまる人に思い当ったら、それはなんちゃってコンサルタントの可能性大です。
① 小難しい言葉や横文字の専門用語を並べ、誰でも分かるように説明できない。
② マンツーマンの話ばかりで、セミナーや勉強会のような一対多数の場面がない。
③ 経営理論やイメージの話はできても、具体的な制度設計ができない。
そういうコンサルタントは要注意です!
かなりの確率で、それは『なんちゃってコンサルタント』です。
① のポイント
まず、大前提として、コンサルティングの基本は、相手と同じ言語で話せること。
相手が知らないことを嚙み砕いて分かるように説明できないで、誰の相談に乗れるでしょうか?
小学生に勉強を教える先生が、その子の分かる言葉で説明できないでは授業になりませんよね?
ビジネス用語や専門用語は、誰にでも分かる言葉ではないことが多いです。
だから、まずそれを相手が理解できる言葉に変換して、共通の価値観を作ってから話す。
それができないコンサルタントは、なんちゃってです。
クライアントさんによって言葉を使い分けたり、言い換えたり、私も自分でいつも気を付けています。
② のポイント
「この人、本当にコンサルタントとして能力あるの?」
と思われても、一対一なら誤魔化したり煙に巻くことができるものですが、一対多数の場であるセミナーや勉強会では、メッキが剝がれやすいものです。
セミナーや勉強会等で発するコンサルタントの言葉には、その場の皆が注目します。
もしそこで、参加者それぞれが些細な違和感を抱いたとしたら……その場の空気感は如実に変わります。
私も何度もそういう緊張感を味わってきました。
中身のない、なんちゃってな話だけでは乗り切れないのが、一対多数の場面です。
なんちゃってコンサルタントは、それを恐れますし、それを乗り切る力がありませんから、セミナー講師や勉強会の主宰は進んでやらず、一対多数の場を避ける傾向が強いです。
③ のポイント
コンサルティングが進むにつれて、クライアントさんとの話は、より具体的になっていきます。
その時に相変わらずイメージだけの話しかできないようでは、コンサルタントとしての値打ちはありません。
経営理論や精神性、イメージを持つことは、もちろん大事なことです。
でも、そこから先の「じゃあ、具体的には、どうすればいいの?」という問いに対して、客観的な数値に基づいた話や具体的な制度設計の素案を提示できなければ、その先の成果は望めません。
クライアントが求めるのは「結果」です。
ですから、私は契約を考えている方にお渡しするパンフレットに「我々の信条は役に立たない経営理論の羅列ではなく、実際の経験と知識に基づいた具体的なご提案を行い、クライアントに伴走しながら目的を達成することであり、実感できる効果を何よりも大切にしています」と堂々と謳っています。
そうすることで、クライアントさんにも自分自身にも、そういう姿勢でお仕事をさせて頂くと約束するわけです。
そうしてご契約を頂いて、お付き合いさせてもらっているクライアントさんに、例えば人事評価の指標作り、賃金テーブルのモデル設計、新規出店の際のコンセプト作り、既存店舗のディスプレイやオペレーションの見直し案、パンフレットの構成や添削等、事細かな制度設計を実際に行っています。
設計ができない、図面が引けない建築士に、誰が報酬を払って仕事を頼み、大事な我が家を建ててもらおうと思うでしょうか?
いつまで経っても結果に繋がらない大風呂敷を広げるだけ、逆に誰でも思い付く小手先の手法にばかりに終始する人は、なんちゃってコンサルタントです。
みなさん、くれぐれも『なんちゃってコンサルタント』には、ご注意を!